R5年度の支援対象企業
株式会社神戸酒心館
270年の歴史は酒蔵だけでは成り立たない。
次代に向けて地域を巻き込んだ
持続可能性の追求に。
ノーベル賞晩餐会で振る舞われる日本酒「福寿」。その知名度に慢心せず、業界内でもいち早くCO2実質ゼロの商品も打ち出しました。そして今取り組むのは、創業300年に向けて地域と一体となった米作りを含む環境影響の向上です。
株式会社神戸酒心館
代表取締役
安福 武之助
ISSUE/問題・課題
美味しい日本酒を安定して作り続けるためにも、
持続可能な農業に向けて歩みを進めたい
農業課題は産業面と
環境面の両方に広がる
日本酒は、多くの人たちが関わってお米から作ります。ですが、その大元となる農業も、担い手不足、気候変動への対応、資材・燃料高騰など、産業面での課題は膨大。そしてさらに、地球環境面では亜酸化窒素やメタンなどの温室効果ガスの発生のかなりの部分は農業由来であることが知られ、生物多様性の問題も抱えています。
部分最適では
解決に繋がらない
それぞれの問題は複雑に絡み合い、解決には多くのプレイヤーが協力する必要がありますが、意外にも各分野を横断する機能が十分ではありません。それぞれの持ち場での最適は、全体での最適になっていないこともあり、総合的な対話が必要です。
IDEA
日本酒をコアにした
農業の多面的価値創造へ
美味しい日本酒は地域と運命共同体。
この状況はむしろブランドとしての価値創造に繋がります。
自然の力を使って環境を改善する(ネイチャーベースドソリューション)は世界で大注目の対応策です。国際的にも求められる気候変動や生物多様性への農業の対応を日本酒メーカーが一体になって行っているケースはかなり稀。農家の方にその価値をご理解いただき、地域ぐるみのブランディングを行って神戸空港の活性化も視野に入れたエコツーリズムなどへと発展させるプランへと昇華させていきます。
メンター
(株)オシンテック
小田 真人
現在、細分化した専門性を再統合する流れが大切になってきています。領域を超えて、同じ方向を向くために対話を行うことが非常に有効です。安福さんの活動は、酒造りという領域を超え、地域とともに生きていく酒蔵として、知恵を出し合い、ありたい社会を実現していく、非常に先進的なものだと感じています。